2017/08/17
講演録
![](https://risk.ismcdn.jp/mwimgs/f/1/670m/img_f1ebc63490adcd2497b9bec09876f6b464684.jpg)
東日本大震災とタイ洪水が同年に
当社は昨年、60周年を迎えました。連結子会社も含め従業員は世界で約2万2000人。国内で4000人の従業員を抱えています。
それでは弊社のマネジメントの現状についてお話してまいります。2011年の東日本大震災の際、私たちの宮城の拠点は震度6弱に見舞われました。私たちのBCPでは災害から3日で復旧、5日で納品を目標にしておりましたが、地域一帯にインフラ、中でも電気にダメージが大きく、取引先も津波や原発事故でいろいろ被害を被っていました。1社の津波対応において、私共も復旧を支援した経緯がございます。その当時、計画を模造紙で作りまして、そこに手書きで実績内容を書き入れていくという流れでした。今も部署の壁に貼ってありますが、毎年訓練のときにも、この様な手書きのものを準備しています。停電になると電子ツールは使えないので、このようなアナログな道具をあえて使っています。
この年度は震災の後始末も済まない内に、タイのアユタヤで洪水被害が起きました。2011年9月30日に、現地災害情報が専用メールアドレスから発信されました。その後、日々水害がひどくなり工業団地にも入ることができないない所が出てきました。地震であれば、震度5強で管理職、6弱で全員が自動で集まる本部体制を作っていたのですが、水害はあっという間に影響が広がり、時間ばかりが過ぎてしまいました。結果的には9日たって、やっと災害対策本部もできました。後手後手に回ってしまったことが、一番の大きな反省です。
講演録の他の記事
おすすめ記事
-
最も対策ができていないのは「過去の降水量調査」自社施設の浸水リスク「不明」との回答も多数
リスク対策.comはこのほど、企業の水害対策の取り組み状況を把握するとともに、BCPにおける課題を明らかにするため、豪雨災害を想定したシミュレーション型のアンケートを実施した。アンケートは、6月のある日、大雨が降りだし、線状降水帯なども発生し、企業が被災するというシナリオを、フェーズごと20の質問にして提示し、企業が各シナリオに対してどの程度備えているかを「1.全くしていない」~「5.かなりしっかりしている」の5段階で自己評価してもらった。リスク対策.comのメールマガジンの購読者および全国の経営層を対象にしたインターネット調査で計667件の有効回答を得た。
2024/06/15
-
-
-
危機管理担当者も押さえておきたいソフトウェアサプライチェーンにおけるSBOM管理の基本知識と企業への影響
本勉強会では、株式会社日立ソリューションズのSBOMエバンジェリストである渡邊 歩氏にSBOMの基本的な知識をわかりやすく説明していただくとともに、グローバルに加速するSBOMが必要とされる社会的背景と、企業経営や事業活動に及ぼす影響についても解説していただきました。2024年6月7日開催。
2024/06/12
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年6月11日配信アーカイブ】
【6月11日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:BCP支援のあり方
2024/06/11
-
基本からわかる脱炭素対策!排出量の算定と効果的な削減方法を徹底解説
本勉強会では、排出量の算定と効果的な削減方法について解説していただきました。2024年5月28日開催。
2024/06/06
-
デジタルインシデントはハザード級になっている
システムトラブルに起因するインシデントが多発しています。業務システムが大きく複雑になるほど、止まったときの影響も甚大。DX が進むことで、それはハザード(災害)級になりつつあります。神戸大学大学院工学研究科特命教授の森井昌克氏に、企業を取り巻くデジタルリスクの現状と課題、対応策を聞きました。
2024/06/06
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方